約600名のムスリムに聞いた「日本で企業を選ぶ基準は?」

最近、「職場における多様性」について海外人財を採用する企業で耳にします。

そして先日、弊社のところに「会社に勤務中の礼拝を認めてもらえず、転職を考えています。 」と神奈川県で働くインドネシア大学(日本でいう東大にあたる大学)出身の機械エンジニアの方から連絡が来ました。

企業のビジョン・ビジネスに共感してもらい、コストをかけて採用した社員が流出してしまうことは、企業にとって大きな損失であり、極力避けたい事態です。まして、 海外人財となると採用コスト・求める期待は非常に大きいはずです。では、何が海外人財の「人財確保」「人財流出防止」の鍵なのでしょうか。

今回はタイトルにあるように586名のムスリムに取ったアンケートの結果とともに、 日本企業が世界における今後の人財争奪戦でどのように勝ち抜くことができるのか、紐解いていきましょう。

日本で働く外国人の「不満ランキング」

まず、ムスリムのアンケート結果の前に、 一般的に日本で働く外国人がどのようなことに対して「不満」を感じているのでしょうか。パーソル総合研究所が日本で働く外国人に調査した「日本で働く際に不満なこと」は以下の順になっています。

1位 給料が上がらない(21.8%)

2位 昇進・昇格が遅い(20.2%)

3位 給料が安い(20.0%)

4位 明確なキャリアパスがない(19.4%)

5位 自己裁量が少ない(14.8%)

このように一般的に日本で働く外国人は「給料」や「キャリア」について、日本の労働文化・就労環境対して、本人が抱える理想とのギャップがあるようです。これは、 「年功序列」「終身雇用」「一斉採用」といった日本の従来型の就労文化がこの結果の原因とも考えることができます。コロナ禍を経て、このような制度・考え方は外国人のみならず、日本人でさえ難色を示す人は少なくなってきたようです。

ムスリムが日本で働く際に基準としていること

一方、世界で3人に1人はいると言われるムスリムは、日本で働く際、どのようなことを基準にして企業選定を行なっているのでしょうか。弊社が586名のムスリムへ行ったアンケートで、 「あなたが日本で働く際に基準とすることは?」について聞きました。結果は、以下の通りです。

1位 ムスリムに対する理解がある(27%)

2位 外国人にとっていい環境(態度や求められること)である(23%)

3位 勤務地(10%)

4位 給料(8%)

5位 企業文化・雰囲気(6%)

先ほど、ご紹介した外国人全体へのアンケートと比較をしてみると、大きな違いがあります。ムスリムの求職者は、企業のムスリムや外国人に対する理解、取り組みに対して、魅力を感じるようです。もちろん、決して、 「キャリアや給料に対して妥協している」というわけではなく、それをも上回る程、環境に比重が置かれているのです。

私が直接話した方の中には、「私から人事部に『ダイバーシティ推進に向けて一緒に取り組みましょう』と直接働きかけた結果、 ムスリムだけでなく多様性に理解のある社風になりました」と前向きに話をしてくれるムスリムの女性もいました。

しかし、そのような例は稀で、「勤務中の礼拝を認めてくれない」「社員の平等性を保つために、特別なことはできない」と雇用側に言われ、転職を決意したというが何名も弊社に相談に来て、 後を絶ちません。もちろん、退職する際、「多様性に対する理解がないから」という理由を直接申し出るわけではないので、企業側も気づかないうちに起きている事象になってしまっています。

多様な人財に選ばれる企業になるために

日本で働く多くのムスリムは、 日本語・英語・自分の母国語を話すことができるトリリンガル(3カ国語話者)の方が多く、その多くが自国のトップ大学を卒業し、日本に来ている方です。そういった方々を採用することはハードルが高いように思われますが、裏を返すと、「しっかりムスリムを含めた多様性に対する理解がある」企業は、 そういった人財にとって魅力的な企業になり、選ばれやすくなるということが言えるのではないでしょうか。

【外国人財採用に関するお問い合わせ】
弊社では、インドネシア人をはじめとする国際系人財の採用サポート行なっております。

下記のようなお悩み等ございましたら、お気兼ねなくお問い合わせくださいませ。

■英語や他の言語を話せる従業員がいない、接し方がわからない

■在留資格、ビザ、生活サポートに関する知識がない

■宗教や文化について、よくわからない

お問い合わせ先:https://fooddiversity.today/kyujin

ダイバーシティ人財サポートについて:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000069181.html

留学生の国内就職率はわずか35%! チャンスは地方企業にあり!?

現在、日本国内にいる外国人留学生の数は31万人と日本政府より発表されています。

多くの外国人留学生は日本で勉学を修めることはもちろん、 その後の日本での就労を目指し、留学という形で来日します。

一方、彼らの国内就職率に目を向けると、外国人留学生の35%しか日本国内での就職を実現できていないことが分かります。

つまり、65%の外国人留学生は日本で就職をしない(できない)のが現実です。

中には進学を選ぶ留学生も一定数もいますが、多くが就職希望先から内定を貰えず、やむを得ず帰国するケースが多数です。

例えば、四国の4国立大学(香川大学、愛媛大学、徳島大学、高知大学)にこの数値を当てはめて考えてみましょう。

それぞれの大学に在籍する留学生の合計人数は732名。

この内全体の65%が日本国内で就職をしない(できない)と想定した場合、その人数は476名にまで上ります。

日本国内において企業の人材不足がしきりに叫ばれる中、 500名弱の留学生を人材として採用する機会を逃しているのです。(キャリアダイバーシティ調べ)

この現状を引き起こしている原因は多数考えられますが、今回は

「企業選びの優先度」

に焦点を絞ってお話をしていきます。

留学生の就職活動における企業選びの優先度

以下の図は、「会社の規模」と「会社の場所」を軸に、留学生が就職先を選ぶ上でどこにアプローチをする傾向にあるかをまとめたものです。

優先度①「大規模で都市部にある会社」

この第一象限は、高い知名度を誇り、多くの学生が自ら積極的に採用サイトからエントリーする企業群で、一般的に「大手人気企業」と言われます。

日本人にとっても入社までのハードルは相当に高く、 日本語で行われるウェブ試験・グループディスカッション、面接などは外国人留学生にとって、更に高い壁であることは容易に想像できるでしょう。

優先度②「小規模で都市部にある会社」

第四象限は、都心部に位置し、都心にある様々な大学の合同説明会や、 企業説明会に出展している企業群のことを表します。

世間一般的な知名度はそれほど高くないものの、都心部で求人・採用情報を探す留学生の目に触れる機会は少なくありません。

優先度③「大規模で地方にある会社」

第二象限は、 地元大学との交流が活発な地方の大企業や、都心部に本社を持つ企業群を表しています。

地方大学に在籍する留学生は、都心部に出るより住み慣れた土地で就職したいという人も少なくないため、地方の大手企業にエントリーするケースは多々見られます。

優先度④「小規模で地方にある会社」

第四象限は、都心部で行われる合同企業説明会への参加も難しく、就活サイトでも中々企業情報が閲覧されないなど、学生と接点を持つことが困難な状況にある企業群です。

地方にいる留学生も、 多くは日本が持つ高度な技術を身に付けたいと考えており、それが叶えば勤務地にはこだわらないという人も多数います。

しかし、通常多くの留学生は、まず「知っている会社(優先度①②)、そして「調べてでてきた会社(優先度③」の順にエントリーをして、 優先度④の企業群に出会う機会を持てていません。

その結果、優先度①②③の中で就職先を見つけられなかった留学生の多くが帰国を余儀なくされ、大学の就職支援課も頭を悩ませているのです。

外国人受入体制の構築と交流機会の創出が求められている

裏を返せば、優先度㈬に位置する地方の企業も、留学生と接点を持つ機会を創出することで、自ずと採用の機会も増えると考えられます。

具体的な解決策の一つとして、 まずはインターンシップの受け入れ先企業として地元大学と連携することが挙げられるでしょう。

留学生を受け入れる環境整備から始めれば、インターンとしてのスタートからそのまま正式採用にまで至るケースも珍しくはありません。

当然のことながら、 外国人留学生は企業の異文化理解や外国人の受入に対する姿勢を非常に気にかけています。

つまり、留学生の受入体制が整っていれば、その企業は外国人人材の採用において非常に高い優位性を発揮できるのです。

「人が足りない」と常々叫ばれながらも、 就職できず帰国せざるを得ない留学生人材が一定数いる状況下において、今まさに地方企業にとって人材確保のチャンスが訪れているのではないでしょうか。

外国人留学生の採用や外国人の受入に関して、ご質問やご興味がありましたら、 これまで数多くの外国人人材の就職サポートを行ってきたキャリアダイバーシティ株式会社まで、お気軽にお問い合わせください。

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弊社では、インドネシア人をはじめとする国際系人財の採用サポート行なっております。

下記のようなお悩み等ございましたら、お気兼ねなくお問い合わせくださいませ。

■英語や他の言語を話せる従業員がいない、接し方がわからない

■在留資格、ビザ、生活サポートに関する知識がない

■宗教や文化について、よくわからない

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ダイバーシティ人財サポートについて:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000069181.html

観光業の人材不足、アフターコロナの救世主となるのは「ワーホリ人材」?!

さて、2021年も6月に入りましたが、ワクチン接種者の数も日に日に増えてきており、アフターコロナの時代に備えた経営改善に乗り出す企業も少なくありません。

特に宿泊業を営む観光事業者様からは、

「コロナ禍で優秀なスタッフが減ってしまったので、非常に困っている」
「昨年かなり減ってしまった従業員を徐々に増やしたい」

というお悩みの声を頂いております。

しかし、業界での経験やホスタピタリティレベル、言語能力など、
観光人材に求められる要素は多く、一朝一夕での採用は難しいこともまた事実です。

そのような状況下において、即戦力となれる人材募集団が、今回紹介する

「ワーホリ人材」

です。”ワーホリ”、つまりワーキングホリデーを経験した方々のことを指すのですが、
観光業にとってどのような魅力や適性を持つのか、本記事で説明していきます。

ワーキングホリデーとは

ワーキングホリデーは、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど、
日本とワーキングホリデー協定を結んだ国で一定期間、就労経験を積める制度です。
ワーキングホリデーの滞在期間は最長1年間(滞在国により異なる)に設定されており、

「語学力を磨きたい」
「海外で働きたい」

など、様々な理由でこの制度を利用する人が増えてきています。

現地での仕事内容は飲食店やホテルでの接客業などホスピタリティが求められる仕事を中心に、
日本語ツアーガイドやオフィスワーク、住み込みでの家事手伝いなど多岐にわたります。

ワーホリ人材の3つの特徴

ワーキングホリデーを利用して海外で就労経験を積んだ”ワーホリ人材”には以下3つの特徴があります。

1. 若くバイタリティに溢れている
2. 高いコミュニケーション能力を持つ
3.ずば抜けた行動力を発揮できる

それぞれ順番に解説していきます。

1.若くバイタリティに溢れている

ワーキングホリデーを利用する人々は20代半ば?30代の女性が多く、
比較的若い世代に好まれている制度であることが分かります。
新卒採用で日本国内のホテルや一般企業に就職し、
入社後数年を経てワーキングホリデーで海外に行く、というケースも珍しくありません。
若くして自らの意思で海外へと足を運び、
就労経験を経てホスピタリティや言語を学んだ人材は、即戦力として活躍できることが期待できます。

2.高いコミュニケーション能力を持つ

カナダやオーストラリアなど、英語圏でのワーキングホリデー経験者は多く、
英語を用いたコミュニケーションも積極的にとることができます。
また彼らは言語能力が優れているだけでなく、滞在国の飲食店やホテルでスタッフとして就労した経験から、
ホスピタリティを提供する楽しさ・大切を心得ています。

3.ずば抜けた行動力を発揮できる

ワーキングホリデーの経験者の多くは、バックパック一つで異国の地に渡るなど、
ずば抜けた行動力と自らの信念を持っています。
また、滞在国の都心部ではなく地方での就労を経験できるケースも多いことから、
帰国してからも地方移住や地方創生への高い意欲を持つ人が多い傾向にあります。

現在求職中のワーホリ人材の例

実際にワーキングホリデーを経験し、現在求職中である方の例を紹介します。

・30代女性
アイルランド・オーストラリアでワーキングホリデーを経験し、その後日本国内の宿泊施設に勤務。
外国人観光客へのサポートや地域への貢献、日本文化の伝承にやりがいを感じるため、
住み込みの宿泊施設運営やイベント企画などを希望。

・20代男性
ハワイでワーキングホリデーを経験し、国内の宿泊施設での勤務経験も持つ。
レストランやカフェ、ホテルで培った接客販売スキルに自信あり。
TOEICスコアも900点近くを持ち、海外から来る観光客へのサービス提供を希望。

・20代女性
ドイツ・イタリアなどの複数の国でワーキングホリデーを経験。
国内ではレストランスタッフやガイド、通訳としての就労経験を持つ。
ガイドや通訳業で培った日本文化に関する知識を活かせる環境や、
日本でのアクティビティを観光客に楽しんでいただけるような仕事の機会を希望している。
日本の文化を世界中の人に体験してもらいたいという想いを胸に現在転職活動中。

アフターコロナの観光業の救世主として

慢性的な人手不足・若い世代の都市部集中化によって通常の採用活動を行っても、
採用にまで至らない企業様も増えてきています。

また、新型コロナウイルスによる影響を鑑みた、今後の観光業の全体的な動きとして、
海外からのインバウンドより先に、日本に住む人々による国内旅行が動き出しますので、
まずは日本人のお客様に対して正しくホスピタリティを提供することが求められます。

したがって、日本人の従業員を増やし、お客様とのコミュニケーションの取り方や
サービスに対する理解を深める研修を実施することで、サービス全体の質の底上げを図りたいという企業様も増えてきています。

上述した通り、ワーホリ人材の多くが若くバイタリティに溢れ、
地方移住・創生への意欲が強いことから、観光業にとっては非常に魅力的な存在です。
彼らが持つ経験やスキルは、アフターコロナを見据えた社内体制の強化・サービスレベルの向上を目指す取り組みとの親和性が非常に高いと言えるでしょう。

当社では、ワーホリ人材の紹介サービスも提供しておりますので、
ぜひご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。

【問い合わせ先】
キャリアダイバーシティ株式会社
ワーホリ人材担当者
info@career-diversity.com