住民税には、企業などが払う法人住民税と、個人住民税の2種類があります。個人住民税は1月1日時点で日本に住所があり、給料などをもらっていれば、外国人の方でも支払う必要があります。この記事では、個人住民税の概要と計算方法、支払い方法や注意事項を解説します。
<目次>
1. 個人住民税とは
2. 計算方法
①所得割
②均等割
3.支払い方法
①特別徴収
②普通徴収
4.注意事項
5. まとめ
1.個人住民税とは
個人住民税とは、住んでいる都道府県に納める道府県民税と市区町村に納める市町村民税のことをいいます(東京23区は都民税と特別区民税)。
個人住民税は所得税と同じく人がお金を稼いだことによってかかってくる税金ですが、たとえば、所得税とは以下のような違いがあります。
1. 所得税は国に納める「国税」であるのに対し、住民税は住んでいる市区町村に納める「地方税」です。
2. 計算をするとき、所得税は1月から12月までの所得が対象であるのに対し、住民税は前年の所得が対象です。
2.計算方法
個人住民税は住民が平等に負担する金額である均等割と、前年の所得の額に応じて負担する金額である所得割から成り立っています。
① 所得割
所得割は、前の年の1月から12月の間の所得に対してかかります。 住民税は前年の所得にもとづいて税額計算が行われ、6月から翌年5月までの住民税が決定されます。
市町村民税(所得割)が一律6%+都道府県民税(所得割)が一律4%
=住民税(所得割)は一律10% です。
収入から色々差し引いて(控除)、残った金額にかかります。控除には医療費控除や社会保険料控除など、たくさんの種類があります。
例)令和1年に入社した新卒社員の場合、令和2年度住民税は令和1年1月から12月の所得に課税され、令和2年6月から納めることになります。令和1年度は前年に所得がないため住民税はかからず、2年目から課税されることになります。
②均等割
均等割は、すべての人に等しく一律でかかる金額です。均等割の金額は、都道府県や市区町村によって異なります。(地方ごとの金額:https://www.zeikin5.com/info/flat/)
3.支払い方法
道府県民税も市町村民税も一括して市区町村に納めます。住民税を支払うには、次の2つの方法があります。
① 特別徴収…給与からの天引き
会社が、あらかじめ、毎月の給料から住民税を差し引き、代わりに市区町村役場に支払ってくれています。会社で働く人はこれが原則であり、自分で市区町村役場に住民税を支払う必要はありません。
② 普通徴収…自分での支払い
毎年6月頃に、市区町村から、納付書(住民税を支払ってくださいという手紙)が届きます。この納付書と納付書に書かれている金額のお金を持って金融機関などで支払います。
4.注意事項
次のような場合、個人住民税の納め忘れがないように注意してください。
例)会社を辞めることになったAさん
Aさんは、会社を辞めることになりました。これまでは、特別徴収によって会社がAさんの給料から住民税を引いて支払っていました。
→このとき、Aさんがまだ支払っていない分の住民税を払うには2つの方法があります。
① 普通徴収の方法によって支払う
② 一括徴収:会社に申し出て、支払っていない住民税の全部を給料や退職金から差し引いて市区町村に支払ってもらう
例)日本から出国することになったBさん
Bさんは、自国に帰ることになりました。日本から出国するまでの間に住民税を支払うことができません。
→このとき、住民税を納めるには
出国する前に、日本に住んでいる人の中から自分に代わって税金の手続きを行う人(納税管理人)を決めて、住んでいる市区町村に届け出ます。
5.まとめ
個人住民税は、
- 住んでいる都道府県に納める道府県民税と市区町村に納める市町村民税のことをいいます。
- 所得割と均等割で構成されています。所得割は、市町村民税(所得割)が一律6%+都道府県民税(所得割)が一律4%で、一律10% です。均等割の額は地域によって異なります。
- 会社で働いている人は、特別徴収されています。
支払うべき住民税が支払われていないときは在留期間の更新申請などができないことがあるので、納め忘れには注意しましょう。
参考: