大学院を卒業後、研究者として入社 日本での生活や就活についてユニさんに伺ってみた

はじめに

 

  日本の大学を卒業後、そのまま日本で就職したいけれど、就活や生活に不安がある、という方はいると思います。そこで今回は、海外の大学で学部卒業後、日本の大学で博士号を取得し、現在日本の企業で働いているインドネシア出身のユニさんに経験やアドバイスを伺いました。

 

目次

1. 学生時代

1-1 今までの経歴 

1-2 日本を選んだ理由 

1-3 来日時の日本語力

1-4 学生時代に苦労したこと

2.社会人

2-1 職種について

2-2 日本で働くことを選んだ理由

2-3 日本での就活について

2-4 日本の生活で苦労すること

2-5 日本企業で働いていて苦労すること

3. 日本で働きたい方へメッセージとアドバイス

 

1.学生時代 :「ムスリムとして日本で生活するのに苦労した

 

1-1 今までの経歴

 

Q. 日本に来たのはいつですか?

 

A. インドネシアの大学で学部を卒業した後、2013年の秋に来日し、日本の大学で修士課程に進みました。そのまま博士号を取得して、2018年の秋に日本の企業に入社、研究員として働いています

 

1-2 日本を選んだ理由 

 

Q. 留学先として日本を選んだ理由はありますか?

 

  1.  本当はインドネシアで進学したかったのですが、国内で全額奨学金を探すのが困難でした。そのため、海外、特にヨーロッパと日本に応募し、早く通知が来た日本にした、というのが一番の理由ですが、学びたかったコンピューターテクノロジーに強いから、というのも選んだ理由です。

 

1-3 来日時の日本語力

 

Q. 日本に初めて来たときには、日本語はどれくらいできましたか?

 

A. 全然話せませんでした。来日する前にひらがなやカタカナは覚えましたが、それ以外は来日後に自分で勉強しました。

大学では国際プログラムだったので授業もほとんど英語で、日本語の習得はほとんど独学で行いました。今では文学作品が日本語で読めるくらいの日本語力があります。

 

1-4 学生時代に苦労したこと

 

Q. 学生時代に、一番大変だったことは何ですか?

 

A. ムスリムとして、一日五回の礼拝があるのですがゼミや授業の時間によっては時間や場所の確保をするのが大変だったと思います。また、学生時代には朝も忙しく料理をする時間もあまりなかったのですが、来日当時はまだハラールフードがあまりなくて苦労しました。でもやはり一番大変だったのは、就活です。(詳しくは後半に)

 

2.社会人:「母国での教鞭よりも日本で研究職に就きたい

 

2-1 職種について

 

Q. 今どのようなお仕事をしているのか教えてください。

 

A. 日本の企業で、人工知能の研究をしています。企業で研究員として働いているので、自分でやりたい研究をすることもあれば、クライアントの希望に沿った研究を行うこともあります。自由度の高い仕事であり、研究が好きなので研究員になることを決めました。

 

2-2 日本で働くことを選んだ理由

 

Q. 日本で働こうと思った理由はありますか?

 

A. 大学院の卒業後、インドネシアの大学から講師として働かないかというオファーもあったのですが、自分は研究をメインでやりたいという気持ちがあり、日本で勤務することに決めました。大学では教えることがメインの仕事になるし、インドネシアの企業では研究員というポジションが日本ほどないのが事実です。母国からも遠くないし、大学時代に日本での生活にも慣れたからというのも理由です。

 

2-3 日本での就活について

 

Q. 日本で就活はしましたか?

A. はい。日本での就活は、日本語ができないとチャンスが少ないと感じました。日本語の資格を求められることもあるし、仮に日本語と英語が混ぜて話すことが可能な企業でも、ほとんどが入社後は日本語がメインになります。エントリーシートを書く時や面接も、ほとんどの企業が日本語です。

 

Q. 就活で、日本独自のマナーやルールに困ったことはありますか?

 

A. 自分が受けた企業は国際的な企業だったので、そこはあまり気にしなくても大丈夫でした。スーツではなくセミフォーマルな服で臨んだのを覚えています。最低限の身だしなみや丁寧な態度を取っていれば大丈夫だと思います。

 

2-4 日本の生活で苦労すること

 

Q. 日本の生活で大変だなと思うことがあったら教えてください。

 

A. 書類など、公的な手続きはも難しい日本語を使用しているので用意するのが大変です。大学時代にはチューターがいて、部屋探しなどの手助けをしてくれたのですが、社会人は結構みんな苦労していると思います。私は日本人の友達に相談したり、よく頼っています。そのため、友人が借りていた部屋にそのまま住んだり、人間関係のおかげで生活に利便性が出てくることが多いです。

 

2-5 日本企業で働いていて苦労すること

 

Q. 日本の企業で働いていて大変なことはありますか?

 

A. ほとんどが日本人の会社で働いているので、やはり日本語が大変です。プレゼンテーションの内容をすべて理解することは難しいし、ディスカッションの時には自分の主張を100%日本語で表現するのも大変です。言語の壁が原因で人間関係に困る、ということはないのですがやはり同僚の日本人の方とは、私が英語を使う時よりも日本語で話す時のほうがコミュニケーションがスムーズに行きます。

 

3. 日本で働きたい方へメッセージとアドバイス

 

Q. 最後に、日本で働きたいと思っている方に向けてアドバイスがありましたらお願いします。

A. ともかく日本語ができるに越したことはないので、日本語の習得を頑張ってください。日本語ができないと全く働けないというわけではないのですが、職を得るチャンスは減ってしまいますし、英語が使える企業でも少なからず日本語は必要になってきます。

日本独自のマナーやルールに関しては、日本に来てから少しづつ学んでいくので十分だと思います。様々な場面で助けになってくれるので日本人の友達を作るのも大事です。

また、就活では、気になった企業で既に働いている方の話を聞いてみたり、学生時代に色々とインターンをやってみたりするのも役立つと思います。

 

終わりに

 

  今回は、インドネシアの大学で学部を卒業後、日本の大学院で博士号を取得し、現在は日本企業で研究者として働くインドネシア出身のユニさんにお話を伺ってきました。ムスリムとして日本で生活するのは容易なことではありませんが、多くの努力や経験をしてきたからこそ夢を叶えている、ということが感じ取れるインタビューでした。

外国人として日本で働くには様々な方法がありますが、留学後に就職という流れをお考えの方は、ぜひ本記事の内容も参考にしてみてください。