JAPAN EDU JOB FAIR 2024 in INDONESIA現地レポート!
7月27日、28日の二日間、首都ジャカルタのジャカルタコンベンションセンターにて、JAPAN EDU JOB FAIR 2024 in INDONESIA (日本留学・就職フェア) が開催されました。ダルマプルサダ大学の設立者でもある元日本留学生協会(プルサダ)と、IPESA (一般社団法人国際人流振興協会)共催のフェアです。
語学学校や大学、企業など25のブースが並ぶ大きな会場の入り口には、見やすいレイアウトが置いてあり、受付で手渡されるパンフレットには各学校や企業への応募のために必要な条件や日本語能力試験のレベルなどが記載されています。日本式の、来場者目線のわかりやすい気遣いが感じられました。
ご両親と一緒に来た人、友人同士、高校生のグループなど、会場内のどのブースも終了時間間際までほとんど空くことがなく賑わいを見せていました。中には話を聞くために順番待ちの列ができるブースも。ブース出展者の皆さんも予想以上の人数が来ました、とおっしゃるほどです。中には履歴書を持参する人もいたようで、日本で働きたいインドネシア人の熱意が感じとれます。
会場でお話を伺った、特定技能・技能実習で人材を日本企業に派遣している機関の方によると、日本で働くことを希望するインドネシア人の中には高校生や女性も多く、中でも介護と農業が人気だそうです。他の国からの人材に比べ、食品製造業界を希望する人材は少なく、その理由はイスラム教徒の女性が髪を隠すために被るヒジャーブの着用が認められない企業が多いから、とのこと。インドネシアに進出している日系の食品製造会社の工場では、各社の安全・衛生管理のもと、多くのイスラム教徒の女性も働いています。このことから、日本国内の食品製造業でも、インドネシア人をはじめとする女性のイスラム教徒の人材をもっと受け入れていくことも可能なのではないかと思いました。
会場のいくつかのブースでは、学校であれば卒業生や現役留学生、企業であれば従業員などインドネシア人材が来場者のために説明や通訳をする場面もみられます。当日ブースでお話させていただいたインドネシア人材の中には、技能実習生からスタートし、正社員としての雇用が決まったというケースも。同じブースにいらっしゃった雇用主の方によると、勤務態度も真面目で仕事もよくでき、日本語もしっかりとでき、今では同社の外国人材をまとめるリーダーのような役割も任せていると、とても頼もしい様子を聞かせてくださりました。
今回会場には、昨今人手不足がニュースにもなっている介護関係の方々も。東京都福祉局のブースには、実際に東京都の福祉施設で働くインドネシア人材の様子がモニターに映されています。都の福祉局ご担当の方も、人手不足はシリアスな問題だとおっしゃっていましたが、前述のように日本で働きたいインドネシア人は多く、介護職の希望者も多いということから、日本・インドネシア側の互いのニーズがマッチすることから、インドネシア人材の介護の分野での更なる活躍が期待されます。ブースには、実際にインドネシア人材を10名以上雇用しているという福祉法人の方もいらっしゃり、最初は日本語レベルが低いインドネシア人材でも、陽気で人当たりがよく、入居している高齢者の皆さんの評判もいいとのことでした。
当日お話を伺った方々が口を揃えて言っていたことは、これまで受け入れてきたインドネシア人材は素直でまじめ、日本人と親和性が高い、コミュニケーショントラブルが少なく、協調性がある、とのこと。今後更なる労働者不足が見込まれる日本で、多くのインドネシア人材の活躍が期待されます。そんな中来場者の多くは各ブースで「日本で働くにはまず何をしたらいいか?」という基本的な制度や条件についての質問を必ずしていたということで、技能実習・特定技能をはじめとする制度についての認知拡大が今すぐに必要だと感じられました。
著者
杏子スパルディ
2003年、留学先のアメリカでインドネシア人たちと出会い在米期間中インドネシアコミュニティにどっぷりとハマる。帰国後インドネシアに単身渡り現地採用で外資・日系企業にて合計14年勤務。現在はフリーランスのインドネシア語講師、コラムニストとして活動中。インドネシア人夫と小学生の子供二人と西ジャワ州ブカシ在住。「インドネシアと日本の架け橋に」をビジョンにオンラインコミュニティ、メラプティ交流会運営。異文化交流会、おしゃべり会、無料インドネシア語レッスンなど毎月開催中。
主な実績:
世界で働く女性のためのポータルサイト「世界ウーマン」インドネシア担当コラムニストにて毎月コラムを執筆・掲載
インドネシア人採用の専門メディア 「アジアンHRジャーナル」にて不定期でコラム執筆・掲載