留学フェアから見る日本語学校・大学の"もったいない"海外募集
先日、インドネシア・ジャカルタで開催された「Japan Edu & Career Fair 2026」に出展しました。
今年は2日間で2,300名を超える来場者が訪れ、昨年の約1,900名から20%以上増加。日本への留学や就職を目指す学生や若手社会人の熱気に、改めてインドネシア市場のポテンシャルを感じるイベントとなりました。

弊社ブースでも、日本での就職相談、大学・日本語学校への進学相談、日本語学習に関する相談を実施し、2日間で多くの来場者とお話しすることができました。
その一方で、イベントを見て回る中で、一つ気になったことがあります。
それは、多くの教育機関が「留学フェア」を十分に活用できていないということです。
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ブースは賑わっている。でも、その後はどうなるのか?
今回のイベントには、日本語学校や大学など約16校が出展していました。
どのブースにも学生が訪れ、パンフレットを受け取り、担当者から学校説明を聞いていました。会場全体を見る限り、どの学校も一定の集客はできていたように思います。
しかし、よく見ていると大きな違いがありました。
来場者の氏名や連絡先を取得し、後日のフォローにつなげる「リード獲得」を行っていた学校は、おそらく全体の10〜20%程度しかありませんでした。
多くの学校は、パンフレットを渡して学校を紹介し、その場で相談に応じて終了です。
もちろん、学校を知ってもらうことは大切です。しかし、それだけで終わってしまうのは機会損失を生み出しています。

学生の興味は、その場だけでは終わらない
留学は人生の大きな決断です。
イベント会場で説明を聞いたからといって、その場で出願を決める学生はほとんどいません。
帰宅後に家族へ相談し、学費を比較し、他校とも比較検討しながら、数週間から数か月かけて進学先を決めるケースが一般的です。
つまり、留学フェアは「出願してもらう場所」ではなく、「興味を持ってもらう場所」です。
だからこそ重要なのが、イベント終了後のフォローです。
例えば、
「本日はブースへお越しいただきありがとうございました。」
というメッセージを送るだけでも、学生は学校を思い出します。
その後、
「在校生インタビュー」
「授業風景の動画」
「募集要項の案内」
「募集開始のお知らせ」
といった情報を継続的に届けることで、興味は少しずつ「出願したい」という気持ちへ変わっていきます。
しかし、連絡先を取得していなければ、その機会は最初から失われてしまいます。
なぜエージェント依存から抜け出せないのか
海外募集では、「学生募集はエージェントに任せるもの」という考え方が今でも一般的です。
もちろん、現地エージェントは非常に重要なパートナーですし、今後もその役割は変わらないでしょう。
一方で、自校に興味を持った学生との接点まで、すべてエージェント任せにする必要があるのでしょうか。
イベントで出会った学生を自校で継続的にフォローできれば、学校の魅力をより深く伝えることができます。
その結果、「この学校に入りたい」という志望度の高い学生を育てることも可能になります。
しかし、その仕組みがないために、結果としてエージェント経由で学生を紹介してもらう割合が増え、紹介手数料などのコストも増えていきます。

これから海外募集はさらに難しくなる
日本国内では少子化が進み、多くの大学や日本語学校が海外募集へ力を入れ始めています。
一方で、学生数は無限ではありません。
同じ学生を、多くの学校が獲得しようと競争する時代です。
広告費は上がり、イベント出展費も上がる。
エージェントへの手数料も増えていく。
そうした環境の中では、「イベントに出展したから学生が集まる」という時代ではなくなります。
限られた予算の中で成果を最大化するには、一人でも多くの見込み学生との接点を資産として蓄積し、継続的にコミュニケーションを取る仕組みが欠かせません。
海外募集も"マーケティング"の視点が必要
企業の営業活動では、展示会で名刺交換をしただけで終わることはありません。
展示会後にはメールを送り、オンライン商談を行い、提案を重ねながら受注へつなげていきます。
留学生募集も本質的には同じです。
イベントはゴールではなく、スタート地点です。
そこで出会った学生との関係をどう育てていくかが、最終的な出願数を大きく左右します。
海外募集においても、「経験」や「勘」に頼る時代から、「データ」と「マーケティング」に基づいて改善を繰り返す時代へと変わりつつあります。
今回のイベントを通じて感じたのは、日本語学校や大学にはまだまだ大きな伸びしろがあるということです。
海外募集市場は今後も拡大していくでしょう。
だからこそ、イベントを単なるPRの場として終わらせるのではなく、学生との長期的な関係づくりの第一歩として捉えることが、これからの留学生募集ではますます重要になるのではないでしょうか。


