インドネシアで最も電気工学に注力している大学「PLN工科大学 / ITPLN」
今回のコラムでは、PLN工科大学 (Institut Teknologi PLN) についてご紹介します。
ITLNは1998年にPLN財団によって設立されました。設立当初のSekolah Tinggi Teknik PLN (PLN財団工科大学)、途中Sekolah Tinggi Teknik PLN(PLN工科専門大学)と改名を経て、2020年1月に正式に現在のITPLN ・PLN工科大学となりました。

PLN財団は、インドネシア国営電力会社 (PT PLN)が国民の教育水準と福祉向上に貢献することを目的とし1993年に設立した財団です。次世代への知識を継承するための場、エネルギー分野および環境に配慮した技術の応用において卓越した、世界的水準の高等教育機関となること、が大学のビジョンとして掲げられています。
キャンパス内には「電気」をベースにしたデザインがところどころに見られます。またモダンな印象のコモンスペースも数か所あり、学生が宿題をしたり、ディスカッションをしている姿もみられます。
現在PLN工科大学は4つの学部と大学院、職業訓練校を擁しています。4つの学部は、電力・再生可能エネルギー学部、テレマティクス・情報技術学部、技術・エネルギー経営学部、インフラ・地域技術学部です。大きく電気系、情報系、機械系、土木環境系に分かれています。

電力・再生可能エネルギー学部ではエネルギーシステム工学、テレマティクス・情報技術学部では情報システム、機械系の技術・エネルギー経営学部ではエネルギービジネス、インフラ・地域技術学部では、土木工学・地理学をベースとした地域開発・環境工学など、一言で「電気」といっても、とても幅広い11の専攻プログラムが用意されています。
大学院と職業訓練校ではそれぞれ、電気工学・土木工学・コンピュータサイエンス・機械工学・技術養成(プロフェッショナルエンジニア)の5つの修士プログラムと、電気技術・機械工学の専門プログラムがあります。

2025年現在学生数は約4700人。卒業生の就職先も大変興味深く、PLN(インドネシア国営電力会社)への就職は卒業生全体の13%、航空会社や政府機関、銀行などの国営企業への就職が27%というなか、全卒業生の半数以上となる60%が起業・ビジネスの道へ進んでいるというデータが大学から公開されています。
イギリスの高等教育専門誌 Times Higher Educationが国連のSDGsに大学がどれだけ貢献しているかを評価するUniversity Impact Ranking では2024年に200位台にランクイン。これはインドネシアの全大学の中で5番目に高いランクです。また、インドネシア国内で開催され、名門大学や学生団体も参加する再生エネルギーコンペティション、LEX Energia というエネルギー政策と(環境などの)法制度についてディベートやディスカッションを行うコンペティション、(未来のエネルギー転換などをテーマとする)全国学生スピーチ大会の全てにおいて、PLN工科大学の学生チーム・代表が2023年に1位を獲得しています。
PLN工科大学は、海外の大学との提携やインターンシップ、外国語教育(近い将来日本語も)に今後ますます力を入れていく方針です。
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著者
杏子スパルディ
2003年、留学先のアメリカでインドネシア人たちと出会い在米期間中インドネシアコミュニティにどっぷりとハマる。帰国後インドネシアに単身渡り現地採用で外資・日系企業にて合計14年勤務。現在はフリーランスのインドネシア語講師、コラムニストとして活動中。インドネシア人夫と小学生の子供二人と西ジャワ州ブカシ在住。「インドネシアと日本の架け橋に」をビジョンにオンラインコミュニティ、メラプティ交流会運営。異文化交流会、おしゃべり会、無料インドネシア語レッスンなど毎月開催中。
主な実績:
世界で働く女性のためのポータルサイト「世界ウーマン」インドネシア担当コラムニストにて毎月コラムを執筆・掲載
インドネシア人採用の専門メディア 「アジアンHRジャーナル」にて不定期でコラム執筆・掲載

