インドネシア人社員と働く企業のための「レバラン」基礎知識
レバランとは?
インドネシアで「レバラン」と呼ばれる祝日は、イスラム教の大きな祝日である イード・アル=フィトル を指します。これは約1か月続く ラマダン(断食月)の終了を祝う日で、日本語では「断食明け大祭」と呼ばれます。
レバランはインドネシアにおいて、1年の中でも最も重要な行事の一つです。日本でいう「お正月」に近い位置づけで、多くの人が家族や親戚と過ごす特別な期間になります。ラマダンの期間中、イスラム教徒は日の出から日没まで断食を行い、祈りや慈善活動を通じて信仰を深めます。そしてその1か月の修行を終えた後、神への感謝とともに祝うのがレバランです。
インドネシアのレバランには、もう一つ大切な意味があります。それは「お互いに許し合う日」であることです。多くの人が家族や友人、職場の同僚などに対して「これまでの失礼や過ちを許してください」と伝え合います。インドネシア語では「モホン・マーフ・ラヒル・バティン(Mohon maaf lahir dan batin)」という言葉がよく使われ、心身ともに新しい気持ちで新しい一年を迎えるような意味合いがあります。
また、レバランには特別な料理を家族で食べる文化もあります。代表的な料理としては「クトゥパット」と呼ばれるヤシの葉で包んだご飯や、スパイスで煮込んだ肉料理などがあります。家族や親戚の家を訪問しながら食事を楽しむことも、レバランの大切な習慣です。

2026年のレバランとは?
2026年のレバラン(イード・アル=フィトル)は、2026年3月20日頃と予想されています。イスラム暦は月の満ち欠けによって決まるため、正確な日付は直前の月の観測によって確定します。そのため、実際には1日前後する可能性があります。
インドネシアではレバランの前後に長期休暇が設定されることが多く、政府が毎年「レバラン休暇」を発表します。2026年も、レバラン前後を含めて3月24日〜25日頃まで企業や学校が休みになる可能性が高いとされています。実際にはその前後も有給休暇などをつなげて長く休む人が多く、社会全体がレバラン休暇の雰囲気になります。
インドネシアではこの帰省のことを「ムディック(Mudik)」と呼び、都市部から地方へ大移動が起こります。何百万人もの人が一斉に移動するため、空港や駅、高速道路が非常に混雑することでも知られています。家族と過ごすことが非常に重視される文化のため、遠く離れて暮らしている人でも、この時期には実家に帰ることが一般的です。
日本で働くインドネシア人のレバラン
日本で働くインドネシア人にとっても、レバランは非常に大切な行事です。母国と同じように祝うことは難しい場合もありますが、できる範囲で宗教的な行事やお祝いを行う人が多くいます。

・イードの礼拝を行う
レバラン当日は、多くのイスラム教徒が朝に特別な礼拝を行います。これを「イード礼拝」と呼びます。日本ではモスクやイスラムセンターなどに集まり、同じ信仰を持つ人たちと一緒に礼拝を行うケースが一般的です。
礼拝は通常、朝の時間帯に行われるため、その日は午前中に休みを取りたいと考える人もいます。宗教的に非常に重要な行事であるため、可能であればスケジュール面での配慮があると、社員にとって安心して働ける環境につながります。
・友人や家族と集まりお祝いをする(※一時帰国する可能性も)
日本にいるインドネシア人は、同じ国出身の友人同士で集まり、レバランのお祝いをすることもよくあります。インドネシア料理を持ち寄ったり、一緒に食事をしたりしながら、母国の雰囲気を感じる時間を過ごします。
また、レバランは家族とのつながりを非常に大切にする行事でもあるため、日本で働く人の中にはレバランの時期に合わせて一時帰国を希望する人もいます。特に数年ぶりに家族と会う人にとっては、レバランは貴重な再会の機会です。
インドネシアではレバランの前後が長期休暇になるため、日本で働くインドネシア人もそのタイミングに合わせて休暇を取りたいと考えるケースがあります。企業として事前に理解しておくことで、休暇調整や人員配置の計画も立てやすくなります。
レバランは、インドネシア人にとって宗教・家族・文化が深く結びついた特別な行事です。こうした文化的背景を理解することは、外国人社員との信頼関係を築くうえで大きな意味を持ちます。企業として少しの理解や配慮を示すことが、インドネシア人社員にとって安心して働ける職場づくりにつながるでしょう。
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