ムスリムとして日本で働く上で知っておくべき5つのこと

多様化・グローバル社会が進む世界と日本でのキャリア形成

現在、日本の人口は年々減っており、若い世代が少なく高齢者多い「少子高齢化社会」といわれています。この少子高齢化によって、働くことができる人口(生産人口)も減少しており、日本の国外からの労働力の需要が高まっています。加えて、グローバル化が進む世界でで、日本社会も多様な人財の雇用を進めています。

しかし、「言語の壁」「文化の壁」とよく耳にするように日本はとても独特(保守的?)で、日本では一部を除いて日本語以外の言語は通用しません。世界に十数億人いるムスリムも日本に来れば、社会的少数グループです。

弊社にもよくこのような問い合わせが来ます。

「ムスリムだと日本で就職しにくいと聞きました・・・」
「日本の職場でお昼の礼拝ができないのは本当ですか?」

今回は、そのような疑問を解消するため、「日本で働く上で知っておくべき5つのこと」をご紹介します。*なお、この記事の内容は取材に基づいた一般的な内容であり、すべてのケースで当てはまるとは限りません。

日本で働く上で知っておくべき5つのこと

1. 職場におけるムスリムへの理解

日本では、ムスリムの人口は約20万人ほどと言われ、日本全体の人口におけるムスリム人口の割合は、0.5%程に過ぎません。そのため、日本人はムスリムと会ったことがない人が大多数ということが考えられます。最近は、留学や観光で日本に来るムスリムも増えていますが、実際に「話したことがある」「コミュニケーションをしたことがある」という人はまだまだ少ないでしょう。

そのため、ムスリムが何を信じて、何を実践するのか「知らない」日本人が多く、大抵の場合、職場でも同様の認識だといえます。したがって、「ムスリムだ=怖い」という見方というより「ムスリムについて何も知らない=心配だ、不安だ」という感情を抱える傾向があります。その時こそ、ムスリムとしての優しく説明し、配慮ある行動が職場の人のムスリムへの認識を変えることでしょう。

2. 職場における礼拝について

1で説明したように、ムスリムの5行の一つ「礼拝」について知らない日本人も多くいます。
日本人の中には、「礼拝は30分くらいかかる」「礼拝の特別な部屋を作らないといけない」という認識を持っている人もいます。実際には、わずかなスペースで10分ほどで完了する礼拝ですので、その旨をしっかり伝えましょう。(伝える内容の一例)

・勤務中の礼拝は2~3回(ズフル、アサル、マグリブ)
・一回目のお祈りは昼休憩でできる
・礼拝は10分ほどで終わるので、仕事の合間で礼拝をする
・空いている会議室やスタッフルームで礼拝ができる

「礼拝について、会社に許可取るのは迷惑ではないか?」と思って、会社に相談しにくい方もいると思いますが、日本の会社もムスリム社員からの声がないと、ムスリムについて「わからないまま」になってしまいます。今後、その会社にあなたの後輩が入ってきたときに、その後輩も同じ気持ちを抱くかもしれません。会社がムスリムに対して理解を深めることは、あなただけではなく、あなたの後輩のムスリムの方のためにも、またその会社自身のためにもプラスかもしれません。

また、金曜礼拝もムスリムにとって大切な行いです。日本で金曜礼拝に参加しているムスリムの多くは、「1時間早く出社する(または1時間遅く退社する)代わりに、昼休みを1時間延長する」「他の曜日に分散して勤務時間を調整する」などと言った代替案を会社に相談しています。

日本では、ある特定の社員だけ勤務時間を減らすことは、平等性の観点から、あまり受け入れません。「金曜礼拝の時間分の勤務時間をどのように確保するのか」自ら代替案を提案することがポイントです。中には、フレックス制を取り入れ、柔軟に対応できる企業も増えてきています。

可能であれば、入社前に人事部や採用担当者に伝えておきましょう。中々、会社に直接言いにくい場合、同僚や距離が近い上司に相談することから始める人もいます。

3. 服装、ヒジャーブ


最も、多い質問の一つに「日本でヒジャーブをつけて働くことができますか?」という質問です。残念ながら、100%自信を持って「できます」とは明言できませんが、接客でないオフィスワークであれば、ほぼ問題なくヒジャーブの着用ができているそうです。

飲食や小売店などの一部の企業では未だにヒジャーブ許可は難しいですが、年々街中のお店でヒジャーブを着用したムスリムが働く場面を見る機会(特にアパレルやコンビニなど)が増えています。
ヒジャーブ着用の可否は、面接や会社説明会のときにしっかり確認しておきましょう。

また、男性の場合、イスラームでスンナ(預言者ムハンマド様の慣行で推奨行為とされている)である髭がしばし問題になります。もちろんスンナですので実践することが望ましいですが、その一方、日本では過度に生やした髭はいい印象を持たれないことが多く、サービス業では髭を含めた身だしなみに関するルールが定められている場合が多いです。また、そうでなくても、一般的に企業で働く場合、髭を整える、手入れをするなどして工夫することをお勧めします。

4. ムスリムに対する理解がある会社の見分け方

先述したとおり、全ての会社が外国籍の方やムスリムに対する理解が十分であるとは言えません。そのような中でどのように理解ある会社を見分ければいいのでしょうか?

A その会社がこれまで外国人スタッフを採用したことがあるか確認する

これまで外国籍の方やムスリムを採用したことがある会社の場合、すでにそのような方々を受け入れる環境・体制が整っており、入社後の問題も極力抑えられます。そのような情報は会社のウェブサイトやSNSなどで表示されていることがあります。

B 入社前に(可能であれば、面接や説明会の時)人事部や採用担当者に相談をする

事前に人事部や採用担当者に相談し、可能である限り説明をします。その時点で、断固拒否される場合、入社後も認識の違いが生じることが想定されるため、その企業へのエントリーを避けることも選択肢に入れましょう。

5. 相談できる人、コミュニティを見つける

日本で働いている(または働くことを検討している)人はあなただけではありません。約40年前のバブル期を機に多くのムスリムの方々が日本で働いています。あなたが抱えている悩みや不安は、日本にいる他のムスリムもきっと抱えていることでしょう。どのようにその悩みや不安を克服してきたのか、気軽に聞ける先輩や友人を探し相談することをお勧めします。もし、周りにそのような方々がいなければ、キャリアダイバーシティ株式会社にいつでもご相談ください。

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