ガジャマダ大学キャンパスツアー【後編】現役学生に聞いてみよう!

インドネシアの「ガジャマダ大学」について知っていますか?今回は、インドネシアのジャワ島、ジョグジャカルタに位置するガジャマダ大学についてご紹介します。

この記事は【前編】【後編】の二部構成になっています。【前編】ではガジャマダ大学の概要について説明していますので併せてそちらもチェックしてみてくださいね。

前編では大学の基本的な情報についてお伝えしてきました。ガジャマダ大学の雰囲気を感じていただけたでしょうか?

続いては学生から見たガジャマダ大学についてご紹介します。今回はガジャマダ大学文化学部日本語学科に実際に通っている4年生の方から大学についてお話を聞くことができました!入試制度、カリキュラム、有名な学部、就職先、卒業生について一つずつ紹介していきます。【前編】で載せきれなかった大学の写真も載せていますので、キャンパスツアー気分で読んでみてくださいね!

ガジャマダ大学キャンパスツアー【前編】インドネシア最高峰の大学を覗いてみよう! - CAREER DIVERSITY

インドネシアの大学と聞いてどの大学が思い浮かびますか?もしかしたら「ひとつも分からない…」「インドネシアの大学

学生が語る!ガジャマダ大学ってこんなところ

——大学の入学試験はどんな感じでしたか? 

ガジャマダ大学に限らず、インドネシアの大学入学試験には4種類あります。

一つ目は“SNMPTN(Seleksi Nasional Masuk Perguruan Tinggi Negeri/推薦入試)と呼ばれるものです。これはそれぞれの生徒が在籍する高校ごとに行われるものですが、問題を解くテストとは違います。高校での成績や学校外での活動として数学オリンピックや科学オリンピック、英語のスピーチコンテストなどの大会の成績が評価の対象として見られます。

例えば同じ高校内で150人がガジャマダ大学を志望したとして、その中で選ばれるのは5人ほどです。何人選ばれるかはそれぞれの高校のランクや志望する学部によって変わります。レベルの高い高校であればあるほど選ばれる生徒の数が多くなります。この試験に通った生徒はそのままガジャマダ大学に入学する権利を得ることができるので、他の生徒よりも早く受験を終えることができます。

二つ目は“SBMPTN(Seleksi Bersama Masuk Perguruan Tinggi Negeri/全国国立大学入学試験)と呼ばれるテストです。これは高校を卒業してから受ける試験です。志望する大学に関わらず、インドネシア全土で同じテストを全員が受けます。

三つ目は“Ujian Mandiri(個別試験)”と呼ばれるテストです。このテストはそれぞれの学生が志望する大学に行って受けます。私が受けた時は150000ルピア(日本円でおよそ1300円)の受験料を当日に支払いました。テストの内容は大学のランクによって変わり、同じくらいのランクの大学は同じ問題が出されます。例えばガジャマダ大学はインドネシア大学と同じ問題が使われますね。

ここまでは大学入試の一つの流れになっていますが、その他にもう一種類インドネシア全土で行われる特別なテストがあります。このテストは一つ目のテストと同じように、問題を解くものではありません。学生個人の能力をアピールして、大学側が欲しい人材だと思えば合格を出すというものです。例えば特定のスポーツで世界大会に出場したなどの成績を大学側にアピールし、大学がそれに魅力を感じれば合格を出します。

——日本と制度が似ていますね。合格までの道のりは長そうです。倍率はどのくらいでしたか?

私が受験した時の日本語学科の倍率は35倍くらいだったと思います。文化学部はガジャマダ大学の中では比較的入りやすい学部と言われているので、これでも倍率は低いほうです。

——壮絶な戦いですね…晴れてガジャマダ大学に入学した生徒はどんなカリキュラムを受けられますか?特徴や強みを教えてください。
私の所属する日本語学科のカリキュラムはとても優れていると思います。日本語の会話を初心者からN3(※日本語能力試験のレベル。レベルの目安はこちら)まで高めることができます。日本語学習の初期から中盤にかけては特に日本語そのものを学ぶためのテキストを重点的に勉強します。ただ、英文学や人類学に比べて言語学により焦点を当てているので、日本語学科の授業の中だけでは研究することができる理論が少ないと思います。そのため言語学以外の研究をしたい学生は他の学科の授業を受けないといけません。

あくまでも私の受けたカリキュラムの話であって、最近カリキュラムが更新されたようなので後輩の代ではより柔軟な体制になることを期待しています。

——まだまだアップデートされているということですね。ガジャマダ大学と言えばどの学部が有名ですか?

文系では経済ビジネス学部、理系では医学部が看板学部だと思います。他には法学部の建物も他の学部よりも比較的大きいので力を入れている学部の一つだと思います。

——なるほど。日本でも将来の仕事につながるという理由でそのような学部も人気ですね。その学部の卒業生はどこに就職する人が多いですか?

経済ビジネス学部は大手銀行や会計士が就職先として人気です。医学部は言わずもがな医師ですね。

——日本語学科の学生の就職先はどのようなところが多いですか?

培った語学力を活かして通訳や翻訳、教師になる人が圧倒的に多いです。インドネシアの会社はもちろん日本の会社に就職する学生もいます。

——では、海外で働く学生は多いですか?

多いと思います。卒業生の中には住友グループで働いている人もいます。

——ガジャマダ大学の有名な卒業生は誰ですか?

有名な卒業生といえば政府関係者が多い印象です。森林学部を卒業したジョコ・ウィドド大統領、経済ビジネス学部を卒業したジャカルタ州知事アニス・バスウェダン氏も卒業生の一人です。

いかがでしたか?このインタビューから分かるように、ガジャマダ大学に入学するにはかなり厳しい戦いを勝ち抜かなければならないようです。実際に友人の中には、ガジャマダ大学が位置するジャワ島ではなくバリ島やスラウェシ島など違う島から大学に入学するために引っ越してきたという人も少なくありません。

まとめ

【前編】【後編】の二部に渡ってガジャマダ大学全体の概要からキャンパス内の数々の施設について、またガジャマダ大学の学生の実際の経験についてご紹介してきました。

インドネシアの大学について知り、その雰囲気に触れる機会となれば幸いです。