インドネシア人高校生が日本留学に熱視線!?ジャカルタで開催された「STUDY TO JAPAN FAIR」潜入取材レポート

8月19日、20日に、インドネシアの首都ジャカルタで、日本への留学を希望するインドネシア人を対象にしたイベント、” STUDY TO JAPAN FAIR” が開催されました。イベント会場の様子、来場者の顔ぶれなどについて、詳細にお伝えします。


STUDY TO JAPAN FAIRの来場客層は?

8月の週末に開催されたSTUDY TO JAPAN FAIR。来場者数は二日間で千人を超えたといいます。来場者の多くは17歳前後の高校生で、家族連れでの来場が目立ちました。高校生以外では、大学院留学を目指す大学生や社会人(いずれも二十代前半くらい)の来場者も多く見られました。

アジアからの「留学」というと一部の超富裕層のご子息がするもの、というイメージはもう古いようで、「会場にはごく一般的な方たちが日本留学を目指しています」と学生本人もご家族も語り、インドネシアの高い「教育熱」が肌で感じられます。


今回のイベントに出展されていたブースは約二十。大学(別科、大学院含む)以外でその数が目立ったのは語学学校でした。多くの大学が規定された日本語力を入学の条件に設けていることから、日本語の習得から大学入学準備までをサポートする語学学校がとても多いようです。

イベントを訪れた学生とご家族のほとんどは、日本留学イコール直接学部入学を想定していたので、イベントに来てみて初めてわかった事実に驚きを隠せない様子でした。

イベント最大の盛り上がりを見せていたブースは?

そんな中、イベントで一際盛り上がりを見せていたブースの一つが京都先端科学大学 (KUAS) のブースです。”Engineering” と大々的に書かれたブースが、ITなどエンジニアリングを日本で学びたい来場者の目にとまったことも一つの理由と言えるでしょう。しかしブースに集まっていた人たちに話を聞いてみると、彼らが最も惹かれたのは、日本語レベルの条件が無い、ということでした。

KUASでは研究計画書を英語で提出することが入試の最初のプロセスだと言います。この研究計画書が審査を通過しなければ入学には至らないのですが、英語であればできる!とインドネシアの学生は自信を感じている様子でした。入学後も授業は英語で行われるそうです。

ブースで今回のイベントの担当をしていたKUASの国際センターの方も、他のアジアの国に比べて、インドネシアからの学生は英語での研究や授業に対する抵抗が少ないようだ、とお話してくださり、インドネシアの学生の頼もしさを感じます。

本イベントで最大の盛り上がりを見せた京都先端科学大学(KUAS)


インドネシア学生にとって欠かせない「奨学金情報」

来場者が押し寄せていた人気のブースがもう一つありました。JASSO (独立行政法人 日本学生支援機構)のブースです。このブースでは、留学生のための奨学金に関する情報がシェアされていました。

前述のように、いわゆる富裕層以外の留学希望者が増えている中で、費用・学費の問題があり、留学志望の学生たち以外に、その親御さんたちもこのブースでは熱心に説明を聞いていました。JASSOのブース以外でも各学校では、カリキュラムや入学の手続き以外に、奨学金に関することを質問する来場者が多かったようです。

JASSOのブースは奨学金情報を求める学生で溢れかえっていた


今回ブースを出展していた学校側のご担当者の方々とお話させていただきました。用意してきたパンフレットの数が足りない!と嬉しい悲鳴をあげる担当者の方も多く、改めて学校側もインドネシア人の教育熱、留学希望者の温度の高さを感じたのではないかと思います。インドネシアからの留学生の優秀さ、についてのお話も聞けました。

特に理系科目で教授の目に留まることが多いというエピソードもあり、将来有望な数多くのインドネシア人留学生の活躍を期待せずにはいられません。

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杏子スパルディ
2003年、留学先のアメリカでインドネシア人たちと出会い在米期間中インドネシアコミュニティにどっぷりとハマる。帰国後インドネシアに単身渡り現地採用で外資・日系企業にて合計14年勤務。現在はフリーランスのインドネシア語講師、コラムニストとして活動中。インドネシア人夫と小学生の子供二人と西ジャワ州ブカシ在住。「インドネシアと日本の架け橋に」をビジョンにオンラインコミュニティ、メラプティ交流会運営。異文化交流会、おしゃべり会、無料インドネシア語レッスンなど毎月開催中。
主な実績:
世界で働く女性のためのポータルサイト「世界ウーマン」インドネシア担当コラムニストにて毎月コラムを執筆・掲載
インドネシア人採用の専門メディア 「アジアンHRジャーナル」にて不定期でコラム執筆・掲載