＜現地大学紹介＞インドネシア最大の通信会社が源流「テルコム大学 / Telkom University」

前回の記事では、インドネシアの有名私立大学としてBina Nusantara University（通称：ビヌス大学）をご紹介しました。そのビヌス大学と同じくらい人気のバンドンにある私立大学を知っていますか？

今回のコラムでは、そのインドネシアトップレベルの私立大学、Telkom University (通称Tel-U)についてご紹介したいと思います。

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Telkom University 基本情報 &人気の学部は？

インドネシア西ジャワ州バンドンは、数多くの大学があり「学生の街」としても知られています。そんなバンドンで特に情報科学・コミュニケーションの分野でインドネシア国内でもトップレベルの私立大学が、Telkom Universityです。1990年代に電気通信会社最大手のPT. Telkom Indonesia (後述)の財団によって2013年に設立されました。

同大学の学部は全部で７つ。産業工学、電気工学、情報科学、ビジネス・経済、ビジネス・コミュニケーション、クリエイティブ産業、応用科学、です。2022年7月に同大学の入試・マーケティング担当者が国内のウェブメディアの取材を受けた回答では、情報科学(informatika)が一番人気の学部のようです。今後ますます進む情報社会の中で、企業が戦略を立てるために必要なデータベースという名の「財産」を大切にしていることから、就職にも有利であると考えられています。（Kompas紙の記事より）

なぜTelkom Universityなのか？

人気の情報科学や工学、ビジネスを学ぶため、なぜ多くの学生がTelkom Universityを選ぶのでしょうか？

Telkom Universityは、PT. Telkom Indonesiaの教育財団によって創設された大学です。PT. Telkom Indonesiaはインドネシア政府が保有する、国内最大手の通信企業です。PT. Telkomは、1965年にインドネシア政府は郵政事業と電気通信事業をわけた際にできた会社です。国内で初めても光海底ケーブルを敷いたり、4G・5Gのサービスを始めた通信会社です。現在ではなくてはならない家庭でのWi-fiやケーブルテレビの通信サービス事業もしていて、在住日本人の利用者も多いです。

2021年と2022年には、インドネシア企業で唯一、Forbes社のBest Employerにランクインもしています。今年二年連続でインドネシアはASEANサミットの議長国をつとめましたが、サミット開催期間のネットワークインフラもPT. Telkom Indonesiaに任されていました。

このように、インドネシアで最も古くトップレベルの通信会社からできた大学がTelkom Universityです。学生の多くは、Telkomグループの会社で卒業後も活躍していますが、その意味は、そのような国内トップレベルの通信会社で活躍できる人材を育成できる大学、ということだと思います。

インドネシア国内だけではなく、海外の教育機関のランキングにも毎年のようにランクインしています。Times Higher Educationがその一つです。（コンパス紙より）

卒業生の活躍

多くの卒業生は、PT. Telkom Indonesia やそのグループ会社へ就職し活躍していますが、卒業生の中には電気通信以外の分野で活躍している人たちもいます。

その活躍は国会議員など政界で活躍する人、テレビアナウンサー、デザイナー、映画監督まで幅広いです。ビジネスで成功している卒業生には、ウェブメディア大手のKumparan創設者や、首都圏で多くの店舗展開をしている人気アヒル料理レストランBebek Kaleyoのオーナーも名を連ねています。

これらの卒業生たちは、在学中ビジネスやテキスタイルクラフトを学んでいます。電気通信や情報科学などだけではなく、アートからメディア、デザインなどなどの幅広い分野を学べるTelkom Universityならではの卒業生の活躍といえるかもしれません。

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著者

杏子スパルディ
2003年、留学先のアメリカでインドネシア人たちと出会い在米期間中インドネシアコミュニティにどっぷりとハマる。帰国後インドネシアに単身渡り現地採用で外資・日系企業にて合計１４年勤務。現在はフリーランスのインドネシア語講師、コラムニストとして活動中。インドネシア人夫と小学生の子供二人と西ジャワ州ブカシ在住。「インドネシアと日本の架け橋に」をビジョンにオンラインコミュニティ、メラプティ交流会運営。異文化交流会、おしゃべり会、無料インドネシア語レッスンなど毎月開催中。
主な実績：
世界で働く女性のためのポータルサイト「世界ウーマン」インドネシア担当コラムニストにて毎月コラムを執筆・掲載
インドネシア人採用の専門メディア 「アジアンHRジャーナル」にて不定期でコラム執筆・掲載