<学生インタビュー>インドネシア大学の学生に入試・入学理由を聞いてみた

前回のコラムでは、インドネシアの名門大学であるインドネシア大学基本情報についてお伝えしました。今回の続編では、インドネシア大学に現役で通う、ラニさんへのインタビューをお届けします。ラニさんは昨年晴れてインドネシア大学に入学、現在社会政治学部の一年生です。高校生の時から日本語を独学で学び、日本人も驚くほど流暢な日本語を話すラニさんは、英語も得意でスピーチコンテストで優勝した経験もあります。そんなラニさんはどのような大学生活をおくり、どんなビジョンを持っているのでしょうか。

Q. インドネシア大学(以下UI)入試はどのようなシステムで受験しましたか?

A. インドネシアの国立大学の入試は三種類のシステムがあります。成績表や各種大会で入賞した証明書を提出するいわゆる推薦入試にあたるSNBP。センター試験のような国立受験であるSNBT。各大学独自の入試システムMandiriの三種類です。私は国立受験のSNBTで受験し、UIに合格しました。国立受験の科目は英語、インドネシア語、数学、一般教養です。

Q. 受験のためにどんな勉強をしましたか?

A. 塾に通いました。週三回16:30~20:00まで、受験日が近くなると、毎日朝から夕方まで塾で勉強していました。それに加え、家でも塾で勉強した内容の復習や、参考書を使っての自習、更にインターネット上で模擬試験も受けて準備をしました。また、私は最終的には国立受験のシステムを利用しましたが、UI独自の受験システム(mandiri)受験の場合に含まれる科目、社会・歴史・経済・地理の過去問題も繰り返し解いて勉強しました。

Q. 大学入試の模擬試験はどのようなサイト(アプリ)が有名ですか?

A. Ruangguru, Zenius, Pahamify, Alphastudeなどがあります。特にRuangguruのアプリで受けられる模擬試験の問題は実際の入試問題とよく似ていて、受験前最後に受けた模擬試験の得点と、実際の入試の得点結果が全く同じでした。アプリによっては無料のものもありますが、精度やクオリティの高い模擬試験は有料のものの方がよく、どれも20,000 – 40,000ルピアくらい(日本円で数百円)で受けることができます。

Ruangguru
Q. 社会政治学部を選んだ理由と、現在勉強していることは?

A. 元々外国語や国際政治が好きです。様々なことについて分析し、発表したりコミュニケーションをとることが好きで外交的な性格ということも関係しているかもしれません。特に、読む・書くことが好きなので、毎日楽しく勉強しています。専門は国際関係なので、最近だとパレスチナの紛争やその他の戦争、世界史、国際法について学んでいます。また、社会学や人類学も勉強しています。

Q. 実際にUI生になってみて、大学のいいところはありますか?

A. たくさんあります!学部の先生たちはみんな優しく距離が近いです。雰囲気も堅苦しくなく、服装などにも特に厳しいルールもなく過ごしやすいです。大学内にはたくさんのサークルがあり、好きなことができるし、いろいろな人との出会いもあります。また、大学の施設がとても素晴らしいです。例えば図書館はものすごい広さで本が多くて、研究や勉強をするのに便利です。運動のための設備もなんでもそろっています。大学内の交通機関も、バスや電気自動車が走っていますし、劇場・コンビニ・クリニック・銀行などもあり、一つの街のようです。学部生の寮の数も多いです。

キャンパス内にある日本のローソン
Q. なぜ日本語を勉強し始めましたか?またどのように勉強していますか?

A. 第二次世界大戦の頃の東南アジア、特にインドネシアにおける日本軍占領の歴史に興味を持ち、日本語を勉強すれば研究もより簡単にできると思ったからです。勉強を始めたばかりのころはYoutubeで日本語について説明する動画をたくさんみて、ある程度わかるようになったらポッドキャストを聞いたり、本を読んだり、日本人の友人と会話をしたりしました。

Q. 大学卒業後目指すキャリアは?

A. 今のところ、特定の職業には決めていません。最近ジャーナリズムと作文に夢中になっています。たくさん話、書くことができる仕事に就きたいと考えています。外国語に関する仕事もおもしろそうだな、と興味を持っています。

以上、ラニさんのインタビューをお届けしました。回答内容からもUIでのキャンパスライフがいかに充実しているのか伝わってきました。将来が楽しみですね!

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杏子スパルディ
2003年、留学先のアメリカでインドネシア人たちと出会い在米期間中インドネシアコミュニティにどっぷりとハマる。帰国後インドネシアに単身渡り現地採用で外資・日系企業にて合計14年勤務。現在はフリーランスのインドネシア語講師、コラムニストとして活動中。インドネシア人夫と小学生の子供二人と西ジャワ州ブカシ在住。「インドネシアと日本の架け橋に」をビジョンにオンラインコミュニティ、メラプティ交流会運営。異文化交流会、おしゃべり会、無料インドネシア語レッスンなど毎月開催中。
主な実績:
世界で働く女性のためのポータルサイト「世界ウーマン」インドネシア担当コラムニストにて毎月コラムを執筆・掲載
インドネシア人採用の専門メディア 「アジアンHRジャーナル」にて不定期でコラム執筆・掲載